ヤマネコ目線

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AI画像生成を無料でやる:SeaArt

 ちょっと良いサービスを見つけたので書いておく。画像生成AIを使うためのPCを組んだばかりだが、やはり電気を食うので頻繁に使うのは抵抗がある。外出先で時間があっても弄るということも出来ない。そこで使えるものは使おうという事で、画像生成AIのサービスを探してみた。

SeaArt

 そこで見つけたのがSeaArtというサイト。ブラウザから使えるのでスマホでもやろうと思えば使うことが出来るし、日本語化されていて(ちょっと怪しいが)、アップスケーリングやLoRA(特定のキャラクターを出すための拡張機能)、使用するCheckpointMerge(リアル向け、アニメ向けなどの様々なデータセット)を選ぶなどが出来る。それも少なくとも今のところ無料で。内部的にはStableDiffusion。WebUI AUTOMATIC1111と出来ることはほぼ同じ。

 ちなみに新規ユーザーを招待すればコインがもらえるので、よければ下のリンクから登録してお試ししてみて欲しい。登録はGoogleアカウントでも可能。

www.seaart.ai

 課金要素はあるっぽいが今のところ無課金でも不自由は無い。というか、他人が生成した画像を見ているだけでお腹いっぱいになれるレベル。なお、詠唱が開示される仕様っぽいので学習する側としてはありがたいが、詠唱内容を秘匿したい場合は見る専になった方が良いかも知れない。

使い方

 一応、ざっくりと解説しておくが、日本語化されているので大体分かるとは思う。なお、詠唱も日本語化されている。個人的には詠唱は英語でした方が良いと思うのだが(内部的には英語に変換されて処理されるので)、とっつきやすいと言えばとっつきやすい。

 ログインしてから上の「AIイラスト生成」を押すと下の画面が出てくる。やめる時は左上、SeaArtのアイコンの右、「←|」ボタンを押せば良い。

画像生成画面

 緑の枠線で囲んだ部分に生成された画像などが表示される。詳細は後で。右側が主に画像生成の設定を決める部分。「モード」はAutoでも良いし、「seaArt2.0」でも良い。「SD Pro」はおそらく課金しないと以下で書く詳細な設定が出来ないものと思う。

 その下の「モデル」がCheckpointMerge、何が得意なのかを左右するモデルを決める。ざっくり言えば誰かに絵を描いてもらう時、写実的な絵が得意な人を選ぶのか、アニメ塗りが得意な人を選ぶのか、といった感じ。「もっと選ぶ」を選択すると画像付きでモデルの一覧が見られるのでそこから選ぶと良い。勘違いしがちだが、写実的な絵が得意なモデルでもイラスト調の画像が生成できない訳ではない。仕上がりが違うだけ。

majicMIX Fantasy

ChilloutMIX

 試しに同一プロンプト、異なるモデルで生成してみたのが上の画像2枚。majicMIX Fantasy (1枚目)とChillout MIX (2枚目)、キレイなイラストなのは変わらないが、majicMIX Fantasyの方が水などの色合いがよりイラスト寄りというか、キレイな感じになっている。

 モデルの下、LoRAは特定のキャラクターなどを描写させたい時に使用する。AIが学習しているのは一般的な概念ばかりなので、学習元に存在しない概念、特に新しく出たアニメのキャラなどはそのままでは正確に描くことが出来ない。そこで追加で「このキャラはこういう風に描く」というデータを与えてやるのがLoRA。派生型のLycorisなどもあるがここでは説明を省く。

 LoRAの横の「+」を押して、「より多くの画像」を選ぶと画像付きで一覧が見られる。検索も可能。自分が作りたいものを検索すれば良い。

 「基本設定」はあまり選ぶ必要を感じないが、「画像サイズ」は重要なので選ぶ。画像”サイズ”としているがアスペクト比(画面の縦横の比率)のことでスマホの画面であれば 9 : 16 (縦長)、テレビやPCモニターは 16 : 9 (横長)、写真(横長)は 4 : 3。「顔面修復」はRestore faceのことで人物を描写させる場合、崩れがちな顔を修正する機能。ただしイラスト・アニメ調の場合は嫌にリアル寄りになる傾向があると思う(要検証)。

 その下、「高級設定」は”高級”とあるが別に課金要素ではない。「ネガティブプロンプト」は描写させたくないものを指定するために使用する。デフォルトでは結構いろいろ入れてくれてあり、人物を描写させる向けの設定になっている。風景だけ描かせたいなら要編集。

 「VAE」は特にいじる必要なし。変えても大差ない。

 「サンプリング法」以下は分かる人だけいじれば良い。基本的に下手にいじらない方が良いが、モデルによって得意なサンプリング法があったり、CFGスケールによって描写が細かいか、抽象的かが変わったりという要素はある。それは使用するモデルによって違うので自分で調べるべき。

 一応ざっくり書けば「ステップ数」は人間で言えば「どれだけ手間暇かけるか」。デフォルトの20ステップくらいでちょうど良い感じがある。現実と同じでムダに手間暇かけさせてもある程度のところで結果は頭打ち、時間がかかるだけ。だったら20くらいでいろいろ試して気に入ったものをブラッシュアップとかで良い。

 「CFGスケール」は「注文に対する忠実度」。低いほどより独創的に、高いほど忠実にという感じ。必要に応じて3~15程度の範囲で変えてもいいが、基本的に7程度で良い。

 「シード」も基本、「-1」から弄る必要はない。「-1」は「ランダムで生成してください」という意味。これを固定すると出てくる画像のシード(種)が固定されるので、同じような画像が生成される。アップスケーリングは別の部分で出来るので触る必要は無い。

 「ClipSkip」も「注文に対する忠実度」の値。これはデフォルトの「2」固定で良い。大きくしても詠唱が無視されやすくなるだけ。「1」よりは「2」の方が良い結果が出るらしいので全くいじらず「2」のままで良い。

ホーム画面

 ここまで理解したら一度、画像生成をしてみるのが吉。もし何をどう書けば良いか分からないという人はホーム画面に戻って、気に入った画像にマウスカーソルを合わせるなどして表示される「創作 (Try)」をクリック/タップすると良い。自動的に画面が生成画面に切り替わり、選んだ画像の詠唱(Prompt)が挿入される。それを参考にして詠唱し直すもよし、一部だけ追加・削除・変更するも良し。

 画像生成が完了すると下のような一覧が出てくる。デフォルトでは1度の生成で4枚が出る。*一番左は一覧表示。

 「・・・」でシェアや削除などが出来る。

 「A←→a」はプロンプトの日本語と英語の切り替え。

 「( i )」は詳細な生成データの確認。

 円を描いた矢印マークは「この詠唱をもう一度使います」という時に使う。画像生成をするといちいちプロンプト欄などがリセットされてしまうので、同じ設定で続けて生成する場合はこれを押さないといけない。地味に面倒だが無料なので。

 画像をクリックすると1枚1枚大きな画像で見られるし、画像の保存もここから行う。「アップスケール」は単純に画像サイズをより大きくして生成し直す機能。倍率も指定可能。「創意アップスケール」は何かいい感じに詠唱を修正しながら画像を大きくする機能っぽいが、少し使った感じ普通のアップスケールとあんまり変わらない。「バリエーション」は同じような構図・構成でちょっと変わった感じで描きなおす機能。

 こういうのは習うより慣れろで、いろいろ弄ってみれば面白いと思う。私は画像生成AIを使うために35万のPCを組んだが、そのPCで出来ることとほぼ同じことを無料で出来るのだから、触らないのは勿体ない。あれ?俺、なんでPC組んだんだっけ・・・(本当に無限大に生成したければ意味はある)。