ヤマネコ目線

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タワマン節税見直しの是非

 タワーマンション節税の見直しが話題になっていた。簡単に言えば

・遺産相続で相続税の算定の際、不動産は評価額と市場の実勢価格ではなく路線価から価値の算定が行われていた。

来年1月からの適用を目指して不動産としての価値の算定を実勢価格に近づける方式へ見直す。

news.yahoo.co.jp

リンク切れ対策/記事題)「タワマン節税」抑止へ 算定ルール見直し 国税庁

感想は様々だろうが

 まず来年1月からの適用ということで、こういう税金を取ることだけは本当にスピーディーにやるのだなあ。

 タワーマンションを買えるような富裕層に対する実質的な増税という訳で、タワマン節税抑止自体への反応は概ね好意的な反応が多いように思う。しかし、こうした流れは富裕層に対してばかり続くとは限らない。

 今回の税制見直しはいわば「ここなら叩いても国民からの反感は薄いだろう」、という場所を狙ったものであり、インボイス制度での免税事業者叩き、固定資産税における”危険な空き家”叩きと同様に、まず叩きやすい所からという感がある。本質は「富裕層に相応の税金を払わせること」ではなく、「叩きやすい/叩いてもあまり文句の出ない所から締め上げていこう」というもの。

 その方針から次はどこが槍玉に挙げられるか分からない。明日は我が身とも言える訳で、マルティン・ニーメラーの詩とされるものが想起される。

政府が免税事業者を排除したとき、私は声をあげなかった。私は免税事業者ではなかったから。

彼らが空き家の固定資産税を増やしたとき、私は声をあげなかった。空き家の家主ではなかったから。

彼らが相続税を実質的に増税したとき、私は声をあげなかった。タワマン所有者ではなかったから。

 いざ自分に矛先が向いた時、そこで焦ってももう遅い。その前に選挙で多少なりとも現状を変えなければ、今後数年間は大増税時代になるだろう。思えばこの他にも扶養控除の見直しも話題になったことがあった。消費税における軽減税率の廃止、道路利用税や炭素税の新設、相続税のさらなる締め上げ、エコカー減税の廃止など、やろうと思えばいくらでもやれる事はある。なお、日本の相続税は最大55%と世界最高峰である(最高は韓国の60%)。