ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

山形の郷土料理”だし”

 夏バテ気味。7月だと言うのに気候は8月。正直何もやる気がしない。そんな中でも料理は一応続けている。山形県の郷土料理、”だし”はこの季節にぴったり。作り方については様々なサイトがあるが雑に紹介しておく。めんつゆで漬けるが特定の調味料で漬ける場合もあるのでそこはお好みで。

材料
  • 茄子1袋(3個くらい)
  • キュウリ1袋(5本くらい)
  • オクラ1袋(6本)
  • 大葉1袋(10枚くらい)
  • めかぶ 3パック
  • めんつゆ(4倍濃縮タイプ)
作り方

1. 茄子を細かく切って水につけアク抜きをする。某料理研究家いわく「最近の野菜はアク抜きしなくても十分優秀」らしいが、出来る余裕があるのならやっておく方が良い。なにせ焼くのではなく生のまま漬けるので。

 自分的な茄子の切り方はこんな感じ。左から右へ。キュウリも同様に切る。

2. キュウリを細かく刻む。茄子もキュウリも細かく切った方が口当たりが良いし、ご飯とともにかきこみやすい。

3. 茄子の水を切り、キュウリを一緒にして塩水につけておく。この工程はしなくても良いが、野菜から水分を抜いて味を染みやすくする効果がある。本場では漬けダレで行うらしい(共洗いだとか)。

4. オクラを板ずり(塩をかけてまな板で擦り転がす)してから茹でる。茹で時間の目安は1分45秒~2分。茹でたら冷水と氷で冷やす。

5. 茄子とキュウリを塩水から上げて少し洗って水を切り、漬けるための容器に移す。オクラも輪切りにして入れる。

6. 大葉を細かく切って入れ、4倍濃縮のめんつゆを原液そのままで適度に入れる。この時点である程度かき混ぜておく。

7. めかぶ3パックをすべて入れてかき混ぜる。数時間冷蔵庫で寝かせて完成。

各工程のポイント

野菜をきざむ細かさ

 細かく刻んだ方が口当たりがよく、ご飯にかけて流し込むように食べることが出来る。一方であんまりにも細かく刻むと扱いが面倒、かつザルで水分を切る時に不便なのでやり過ぎ注意。

 特に下の製品のようなチョッパーで刻むのはおすすめしない。切り方にムラが出過ぎるし、全体を細かくしようとすると切れ過ぎる部分が出て来て扱いが面倒。包丁を使う練習と思って手で切った方が綺麗。

 包丁の使い方はこうせい校長氏の動画が詳しい。この方の動画は本当に勉強になるのでおすすめ。料理自体は「こんなの自分じゃやらんわ」というレベルの丁寧さだったりするが。

youtu.be

なぜめんつゆを使うのか

 YouTubeで良さそうなレシピを真似て調味料だけで漬けてみたら薄かった。使用する野菜の水分量を加味しないと薄くなる。面倒なのでめんつゆで良いやと思った。先に挙げた材料であれば、4倍濃縮をそのまま使うくらいでちょうどいい。一応書いておくが1本全部を使い切る必要は無い。

 めんつゆを使う理由はもう1つあって、そうめん等にそのまま合わせやすいので。何なら来客時に出してもいい。キュウリと茄子ほか野菜しか使用していないのでお盆の季節にも合う。精霊馬に使用したものを使うのはNG(地域などによって異なるが普通は埋めたり燃やしたり海や川に流すなどする)。

 面倒くさい(というか自分は目分量でやっている)が野菜の水分量を概算すると、茄子の可食部の重さは約140g、そのうち約93%が水分なので水分はおよそ130g、それが3本で約390g。同様にキュウリは1本約100gで96%が水分なので5本使うとして水分およそ480g。共洗いで抜ける水分とオクラ、めかぶ等で加える水分を面倒くさいので±ゼロと仮定すると必要なめんつゆの料は大体218ml。大体でいいわ!これで薄かったとか濃かったとかいうクレームは一切受け付けません。

薬味について

 本場はミョウガも入れるようだが個人的に好きではないので大葉だけにしている。刻み小ネギとか入れても良さそう。キュウリのめんつゆワサビ漬けも作ったことがあるがそういうのも悪く無い。ただワサビは下に沈殿しがちなので、やるなら相当量を事前に漬けダレで溶かして入れる。となれば食べる直前に自分が食べる分だけに入れれば良い。

 大葉は適当に包丁で切れば良いが、面倒くさければキッチンハサミで切るのが良い。

ネバネバ系食材について

 本場は納豆を入れるらしいが個人的にはめかぶを入れる方が合うと思ったので、めかぶを入れることにしている。納豆と異なり匂いを気にする必要が無い。たんぱく質があるか否か程度。味的にはうまみ成分を追加する役割があると思われる。ちなみに納豆に含まれるのはポリグルタミン酸、D型グルタミン酸であり、めかぶに含まれるグルタミン酸はL型。

オクラの板ずり

 別にしなくても良くね?と思うが一応意味はある。表面の産毛を取って口当たりを良くする。らしい。ただ”だし”では細かく輪切りにするのであんまり意味が無いかも知れない。

めんつゆ、薬味、めかぶを入れるタイミング

 あまり変わらないかも知れないが、めかぶのネバネバ成分(フコイダン)で野菜の表面がコーティングされる前にめんつゆ、薬味を入れた方が良い気がする。実験した訳ではないのでおまじない程度の話。

うまみ成分

 味の素(=グルタミン酸ナトリウム)はめんつゆに入っているし、めかぶにも入っているので入れる必要は無い。イノシン酸(カツオ節のうまみ成分)もめんつゆに入ってそうなので不要(風味がほしければアリ?)。

 グアニル酸(キノコのうまみ成分)は入れる価値ありと思う。エノキや干しシイタケに豊富なので、それらを加熱調理してから入れると良いかも知れない。特にエノキは細長いので刻みやすい。

 あとは強いて言えばコハク酸(貝のうまみ成分)だが、せっかくの野菜のみレシピなのと日持ちの面でどうか。