ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

公明党がアクセルになった日

 また公明党がふざけた事を言い出したので書く。

news.yahoo.co.jp

リンク切れ対策:記事題)公明、少子化加速で「緊急宣言」を(時事通信)

最初に

 今回、公明党が打ち出したのは「次世代育成のための緊急事態宣言」という案だが、これがいわゆる緊急事態条項に基づくものなのかは釈然としない。が、そうであるものと取って間違い無いと思われるし、この記事はそれを前提に書く。

 この案に付随して公明党が打ち出した政策については、その政策の是非はともかくとして危険性は特に感じられない。相変わらず焼け石にm...霧吹き程度の一時的な政策ばかりだなとは思うが。

 しかし問題はそこではなく、「緊急事態宣言の発令条件に少子化を加えよう」という点である。今までの実績を見れば分かる通り、政権与党は少子化を止めるどころか加速さえさせている*1。そうした中で少子化を口実に緊急事態宣言が行えるようにしようとなれば、緊急事態宣言が事実として永続的なものとなる。これは明らかに問題である。そうなればむしろ、政治家にとっては少子化を解消するメリットが無くなるだろう。少子化でさえあり続ければ行政、内閣総理大臣は好き勝手出来るのだから。今でも閣議決定で好き勝手にいろいろ決めているのに、その流れが更に加速するであろう事は目に見えている。

 公明党の案では「2023年から先3年間を集中期間と位置づけ~」などとしているが、3年やそこらで少子化が解決すれば苦労しない。普通の人間だって変わるには3年では足りない。そも少子化問題の根本的な原因を理解できている政治家が政権与党にどれだけ居るのか。居ないので解決など出来る筈もなし。そうした期間やとりあえず打ち出す政策はあくまで建前であって、実際はもっと長い期間、もっと好き勝手な政策が行われる危険が大きい。それこそ「独身税」などと言い出してもまったく不思議ではない。

 また、少子化を理由に緊急事態宣言が発令された場合であってもその効力は少子化対策に限定される訳ではない。たとえば今、政府が進めているマイナンバーと銀行口座の紐づけ。岸田総理の言う「投資で資産倍増」を実現するため、投資を促進するために「預金に課税」なんて事も言い出すかも知れない。

緊急宣言とは何か

 緊急事態条項については下の記事で書いている。長いので要約すれば、「緊急事態だから」というのを言い訳に立法権を行政・内閣府に移譲させ、好き勝手やろうという話。サヨク的な煽り抜きで正直、危険だと思う。

manuller416.hatenablog.com

 別にそれを採択したら「今すぐ岸田総理が独裁を始める」とかそういう事を言いたい訳ではない。が、内容には確実に問題があるので長期的に見ればそこに独裁体制に繋がる危険が確かに存在する。たとえ今すぐの危険が無くとも、憲法にそうした条文が載ってしまえば危険な状態が永続してしまう。憲法はほぼ変える機会が無い。この先数十年、100年を見据えた内容の精査が必要である。

 さて、改めて要約すると自民党の提唱する緊急事態条項においての緊急事態宣言の発令条件は

  • 他国による武力行使
  • 大規模テロ
  • 大規模な自然災害

だった訳だが今回、公明党はそこに少子化問題まで加えようと言いだした事になる。もはや発令のタイミングを逃す逃さないの話ではない。少子化問題を言い訳に内閣がお得意の必殺「閣議決定」で延々と好き放題な立法が出来る社会、それがすぐそこまで迫って来た感がある。

 公明党はもはや壊れたブレーキどころか、いよいよそうした権力の暴走を加速させる方向に動き出してしまった。という点でより一層、主権者たる国民が責任をもって政治の世界から排除する必要があると思う。カルト連立政権はこの国に必要無い。創価学会が政治に関与することを許した覚えも、是とした覚えも少なくとも私の世代には無い。

余談:ガースー、それ先にやれ

 最近になって菅元総理が「出産費用を保険適用にすべき」と言い出して、一部界隈では氏に対する好感度が上がっている。私から言わせれば本当にチョロい連中というか、それで好感度上がるんだ、という感じ。

 それを言うのであれば現役時代にやっておくべきであったし、それでもまだ周回遅れな感がある。やらないよりはマシだと思うし、それで岸田総理あたりがそうした方向へ動くなら良い影響とは言えるが、何というか適切な言葉がなかなか見当たらない。チョロい、という表現しか出来ない。

 

*1:想定より10年速く出生率が80万人を割っている