ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

AI生成画像はイラスト投稿サイトに投稿すべきでない

 書き散らし。GIGAZINEさんでこのような記事があったが、「確かにな~」と思えることがあったのでネタにする。

gigazine.net

ウロボロスになる危険性

 StableDiffusionなどのAIの学習元には、様々なイラスト投稿サイトにある作品も含まれている。「Artstation」や「Pixiv」といったサイトがその代表例で、画像を生成する際の呪文(prompt)にどちらかを入れるだけでそれっぽい画像の生成効率が上がるほどだ。

 その学習データがいつからいつまでの内容で、現在も学習がどの程度進行しているのかは分からないが、たとえばその学習元サイトにAI生成画像が多量に放り込まれれば「AIが生成した画像から学習してAIが画像生成を行うウロボロス状態になることが予想される。

 後述するがそれが今後の人間による芸術活動にも、あるいはAIによるアート生成の試みにも良い影響を与えるとは思えない。そもそもPixivにある画像を勝手に学習元に使用するのはどうなんだろうか・・・私だって下手ながらもそんな許可出した覚え無いんだが・・・。因みに「Pixiv」にはR-18イラストが多いため、「Pixiv」という呪文は二次元イラストを生成する際に便利ではあるがセンシティブ判定で弾かれる可能性が高くなるらしい。

作品としての完成度が低い

manuller416.hatenablog.com

 これは先日の記事でも少し触れた内容が絡んで来るが、結局のところAIに出来るのは「サイズの小さい一見それっぽい雰囲気の画像を生成する」ことだけであり、最終製品としてそのまま使用に堪えうるものはまだ出て来ない。全体的な構図や雰囲気は良いものが多いが、拡大して見れば気になる所がたくさん出てくる。良く言えば宝石の原石がポンポン出て来る感じ。ただし、それをそのままイラスト投稿サイトに乗せるのはその原石をカットせずにジュエリーショップに置くようなもの。

 それは明らかに場違いなので、早急に原石専門の市場(=AI生成画像専門の画像投稿サイト)を用意すべきである。でなければあくまで「作品として完成されたもの」と「そうでないもの」が混ざり過ぎてしまう。人間からすればカットされた宝石を買いに来たのに、置いてあるものの半分が原石のままという感じになるし、AIからすれば中途半端なものから更に中途半端なものを作らざるを得なくなる。イラスト投稿サイトにAI生成画像を投稿するのは人間にもAIにもメリットが無い。

 自分で描けもしないキレイな画像をAIに生成させて投稿・いいねをもらって自己承認欲求を満たしたい場合はそれで良いか知らないが迷惑なので、やるならせめてInstagramTwitterあたりにすべき。「鑑賞の場」ではなく、ただ玉石混交のコンテンツがものすごい勢いで消費されるだけの場であればあまり文句は言われまい。

 「どの辺が完成度低いの?」と言う人はまず作品を見る目から養うべき。AIによる生成画像は確かに一見ほんとうに良い絵が出てくるし、それは私だってそう思うがよくよく観察すればおかしい点が目につく。特に要素が多い場合、AIをつかって拡大したりするとより目につく。スマホでしか作品を見ない人はおそらく画面の小ささで誤魔化されているだけ。

 上の画像は画像下部やや右側に鳥とも魚ともとれぬ得体の知れないものが生成されているし、建物も一見それっぽく見えるがよく見ればぐにゃぐにゃとした歪みがある。蝶は不自然なほど一箇所に固まり、蝶の群れ右下には謎のポールが建っている。そういった所は人間による手直しが必要だろう。あるいは構図そのままに描き直すか。結局、最後はその人間の絵を描く腕にかかってくる。

余談:「AIでぱぱっと作って」

 AIの登場で懸念されるのが「今ってAIで簡単に出来るんでしょ?ぱぱっとやっちゃってよ」と言い出すゴミクズみたいな人間の登場だが、そういう人間には「AIで簡単にぱぱっと作れるなら貴方がやれば良いじゃないですか」で終わりだと思っている。もし誰でも簡単にテキスト入力とクリックだけで実用と鑑賞に堪えるイラストが生成できるなら自分でやれば済む話ですよね・・・?本当にそんなことが出来るなら。

 因みに実際にStableDiffusionで遊んでいて思ったのだが、プロダクトデザインなんかをさせるのはかなり難しい。人間にとって面白い発想が出て来ることはあっても何かしら意味のあるものをデザインさせるというのは至難の業。なぜならAIには体も無いし、人間にとっての道具の意味が理解できないからである。

 それにしても、これからのイラコンは描く過程の動画も込みで投稿の時代かなぁ・・・海外のイラストコンクールで優勝した事例あったし。あれは生成画像の厳選に厳選を重ね、Gigapixelで拡大して自分で多少の手直しもしていたと思うが。