ヤマネコ目線

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大学生のノートPCの選び方2022

 少し前にTwitterで「Macは買うな」という感じのツイートを見かけたが、あれは入る学部の指示に従うべき。むしろMacしか使わんみたいな所もあるようなので一応、最初に触れておく。今回書く内容は主にWindows10の場合。

ChromeBookは出来る事が限られており、大学生用には向いていないのでそもそも論外です

大学生協のノートPCについて

 これも入る大学や学部について異なるので一概に良し悪しを語ることは出来ない。補償が手厚い代わりに売れ残りレベルの製品を売っているイメージが私の中にはあるが、そうでない場合ももちろんある。詳しいスペックを分かりやすく書いていない場合はもう、その段階で怪しいので注意。

どこで買うべきか

 家電量販店で買うのは正直オススメしないが、何かあった時に持ち込み修理できるという点は良いと思う。ただネットからBTOメーカー(Dellやhp、マウスコンピューター等)で注文してもサポートや修理が無い訳ではないし、少しでも安くと思う場合はBTOメーカーで注文しても良いとは思う。現在の情勢を鑑みるとコンテナ不足などの関係から、納期が遅れる場合もあるのでその点は注意すべき。

 家電量販店で買う場合は海外メーカー、特にDellやhp、AcerASUSを勧める。国内メーカーのPCは昔から余計な機能やソフト(アプリ)が多過ぎるし高い。どのみち内部に使われているパーツは海外製が多いのでハッキリ言って国産を意識する意味は無い。

スペックのチェックポイント

 個人的にオススメするチェックポイントは下記の通り。理由は後で書く。とりあえずこれだけ押さえておけば問題はないと思う。

  • CPUはIntelであればcore i3~i5、できればcore i5AMDであればRyzen3~5(Ryzen3でcore i5と同等なので3でも十分)
  • ゲームや動画編集をしない限りはグラボ(GPU)は不要(学部で指定されている場合は除く)
  • メモリは最低でも8GB、余裕を見るなら16GB以上
  • ストレージはSSDで容量512GB程度
  • Office込みで買う場合は絶対にMicrosoft純正のものが入っていること。KingSoft等はダメ
  • 重さ1kg前後
CPUについて

 CPUはそこそこのスペックのもので良い。アカデミックな用途であれば計算処理がめちゃくちゃ求められるでない限り、core i5やRyzen3あたりの性能で事足りる。逆に高性能で消費電力が多いものを買ってしまうとバッテリー消費もそれだけ激しい。

 そして何よりノートPCには厳しい電力制限と温度による制約がある。ACアダプターで供給できる電源はせいぜい限りがあるし、ノートPCの薄い構造ではなかなか熱を逃せないので、スペックが高いCPUを搭載していても、それをデスクトップPCほど活かせる訳ではない。むしろ名前負け、せっかく高いのを買ったのに思った程じゃないという事になりがち。

付記:マルチコア・マルチスレッドのCPU

 CPUのスペックには「8コア16スレッド」などの表記があって、この数値が多い方が良いような気もするが、この数が多いほど消費電力は増える=バッテリー持ちが悪い。そしてマルチコア・マルチスレッドはソフト側が対応していなければ意味がない。

 すべてのソフトがCPUの性能を引き出し切れるように設計されている訳ではないので、いくらコア数が多いCPUを選んでも、そもそも使うソフトがそれに対応していなければ相対的に処理速度は低下する。なのでコア数やスレッド数といったものは正直そこまで重要視すべきものではない。4コア8スレッドもあれば十分。

グラボ(GPU)はゲームや動画編集しないなら不要

 大学生にとっては少し悩む話だが、親の立場からすれば不要という認識でいい。動画を見るくらいならグラボ(GPU、グラフィックスボード)は無くても良いし、本当に息抜き程度のゲームならグラボが無くても出来ない事はない。むしろグラボはゲーミングノートPC以外では入っている方がむしろ珍しい。そして後の話にも繋がって来るが、グラボが入っているとそれを冷却するための機構を入れないといけないので、結局は重くなって持ち運びが苦になる。バッテリー消費も激しくなる。

 逆にあった方が良いと思う場合は、動画編集したい場合や少し重めのゲームをしたいという場合。その場合はあっても良い。特に動画編集は専用の機能が付いているので、CPUだけの場合よりは処理が速くなる。

付記:ゲームを本当に快適にしたいなら

 ノートパソコンは大きさや電力に制限があるので、スペック上は良いグラボを積んでいても思ったほどの性能が体感できない事がある。本当にゲームを快適にしたいなら、ゲーミングノートを買うよりバイトでもしてデスクトップを買った方が良い。私のゲーミングノート、ACアダプターを見ると100Wと書いてあるが、デスクトップの電源容量は750Wくらいなのでいかにパワーが違うか、それだけでも想像できるだろう。

メモリは最低8GB、余裕を見るなら16GB以上

 Windows10以上からはメモリは8GBが最低ライン。4GBは不十分。8GBあったとしても、重いソフト(Photoshopなど)であれば足りなくなる可能性がある。というか私は実際にそれでソフトがクラッシュしたり、Windowsの表示が変になって焦った記憶があるので16GBをオススメしている。

 金銭的な余裕がないなら、とりあえず8GBモデルを買って後からメモリを増設するのでも良い(ただし、前もってメモリ増設が可能なモデルか調べること)。メモリ増設可能かは大抵、メーカーのホームページで買おうとしているモデルの説明書pdfを見れば分かる。モノによっては増設どころか、既に付いているものが外せない場合もあるので要注意。

ストレージ(記憶装置)はSSD一択

 ストレージをHDD(ハード・ディスク・ドライブ)かSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)にするかは少し値段が違うが、少し高くてもSSD搭載を選んだほうが良い。SSDのデータの読み書き速度はHDDより断然速いので、パソコン自体の起動からソフトの起動からあらゆる処理が明らかに速い。最近はWindowsそのものがSSDでの動作を前提に作られているのではとも思う。ただし、容量に対する価格はHDDより高め。

 容量は512GBあれば良いと思うが、予算に余裕がないなら256GBでも良い(それ以下はダメ)。SSDは容量が大きいほど読み書きの速度が速いし、256GBで足りるとは思うが余裕を見るなら512GB。

 もし容量が足りなくなったとしても、その場合は外付けHDD/SSD、あるいは内部のストレージそのものを交換すれば良い。ただし、その場合はメモリと同様、事前に交換可能であることを確認しておくこと。特に安いモデルにありがちな「eMMC」と記載のあるストレージは、内部の基盤にはんだ付けされているので基本的に交換は不可能。「M.2」は交換可能。

Officeを買う場合

 最近は大学がOffice365を契約していて、買わなくて良いという場合があるらしい。そこは要確認。

 もしOffice込みで買う場合はMicrosoft純正のOffice搭載をオススメする。KingSoftなどのいわゆるOffice互換品は厳密に言えばOfficeとは違う。互換品のPowerPointで作ったデータでトラブルがあった人を知っているので、私はOffice互換品は信用していない。社会人になってからは大抵の会社でMicrosoft純正のOfficeを使うだろうし、その点でも互換品はオススメしない。

重さは1kg前後

 「前後」というのがどこまでかは難しいが、要は2kgやそれ近くあると持ち運びが苦になりますよ、というだけの話。ゲーミングノートPCは大抵2kg以上あるのでこの点でもオススメはしない。特に毎日持っていくつもりであれば、軽ければ軽いほど「軽いのを選んで良かった」と思うはず。

 一番確実なのは、実店鋪で実際にパソコンを持ってみて許容できる重さかどうか確認すること。重さというのは案外、頭で分かっているつもりでも数字を見るだけでは実感が湧かない。

 これに絡んで来るのが画面の大きさ。いくら大きくても15インチクラスが限界だろう。17インチともなると重いしデカ過ぎる。

余談:キーボード配列

 キー配列は意外と見落としがちなチェックポイントの1つ。特に電源ボタンの位置がDeleteキーやEscキーと押し間違えるような位置にないかが問題。変な配列のものを選ぶとたまに電源キーを誤爆して面倒くさいことになる。

 そのほか、よく使いそうなキーが妙に小さかったりしないか(特にEnterやShitf, Alt等)も注意。キーボードは本当に使い勝手に直結する上に、後から変えられないので厄介。

 一応、KeyChangeというフリーソフトを使えば既存のキー設定は弄れる(あくまで自己責任で)。

 テンキー(数字だけの電卓っぽい配列のキー)は理系ならおそらくあった方が良い。数値の入力が楽になる。ただしUSB接続で後付もできるので必須ではない。

余談:USB端子等の端子類

 USB端子は最低でも2つあった方が良い(Type-Aで)。マウスを何で接続するかにもよるが、1つだと不便に感じる場面が出てくると思う。逆にUSB端子の数以外は特に気にする必要はない。

 パワーポイントとプロジェクターを使っての発表会なんかもあるかも知れないが、それは発表用にプロジェクターと接続できる専用のPCが用意されていたりするので、時代遅れなD-Sub端子がないと大わらわする必要はない。ただそういう時に前述した互換品Officeなんかを使っていると、発表用のPCから純正Officeを使ってデータを読み込んだりした時に正しく読み込めず、発表がろくに出来ないなんて事もあるので注意。

余談:セキュリティソフトの有無

*あくまで個人の意見です。セキュリティソフトを入れない場合は自己責任でお願いします。

 セキュリティソフトは別に入っていなくて構わない。昔と違って今はWindows標準のセキュリティが強いので、わざわざウイルスバスターだのノートンだのを入れる必要はない。むしろセキュリティソフトがCPUやストレージに負荷をかけてまともに使えない場合もある(特にストレージがHDDの場合はウイルスバスターがウイルスなレベル)。

 よほど変なサイトにアクセスして、選択肢を間違えて怪しいソフトをインストールされてしまった等なら話は別だが、まあそれも良い勉強の一つではある。

余談:ディスプレイ

 ディスプレイにはそこまでこだわる必要もないが、IPS液晶ならほぼ間違いはない。写真編集なんかをしたい場合はレビュー等で色域を確認すべき。正直しっかりした色域のものを選ぶと高いので妥協しても良い。